隷書版 原           

 

なんと雄大な富士でしょうか。画面いっぱいに描かれています。あまりにも富士さんが高いので、広重は画面を突き出させてしまっています。
ここは柏原の立場あたりの東海道沿いでしょうか。富士山が左右対称で、宝永山が見えません。
手前に見える広い浮島沼では鰻や鯰が獲れ、茶屋では蒲焼が名物として出されていたといいます。
東海道は南に駿河湾、北に浮島沼に挟まれた狭い洲にあります。もともと海であった所に富士川から流れ出た砂礫が堆積して洲が出来て、沼津・狩野川河口まで達し、その間が湖沼になったようです。自然はすごいですね。