保永堂版 日本橋・行列振出

「お江戸日本橋七つ立ち・・・」   広重は、朝早く日本橋を出てゆく大名行列の先頭を描いている。行列は先箱持ち、毛槍持ち徒士と続く。橋の手前にある大木戸の開く時間が朝七つ時なので、朝一番最初に大名行列が日本橋を出発する時間も七つ時になるのです。緊縮財政の大名が多く、彼らの朝は早い。
橋の左手前に高札場があり、橋の向こう側の右には魚河岸があったそうです。画面左手前には買出しを済ませたばかりの棒手振りたちがいます。
この絵は後版なので、初版とちがい大勢の人たちが描かれており、橋の手前はずいぶん賑わっています。朝早くから、こんなに人がいたのだろうか。