日本橋を出て東海道は神奈川まで左手に海を見て進む。 神奈川宿は上台町から海を望む眺望がとても良かったと言う。広重は下台町から上台町を望む構図で宿場を描いており、茶屋の下女に誘われる弥次郎と喜多八と思われる旅人の様子が面白い。その手前を無関心に、平然と歩を進める巡礼の親子と六部の姿が対照的だ。 左手の海には漁をする漁船のほか廻船も描かれており、港町の様子が伺える。 この絵は後版なので、手前の小舟がなく、空の様子も異なり安定感に欠ける。