<脇差>
江戸時代、帯刀は武士にしか許されなかったが、庶民でも旅に出るときは道中差と言って脇差の携帯が許されていた。江戸から九州に向かっていた十兵衛も護身用に道中差をしていたのだろう。
広重が描いた東海道53次の浮世絵にも、旅人が脇差をしている様子がうかがえる。
広重画 東海道53次之内 袋井・出茶屋ノ図
腰かけて煙草をふかしているのは定飛脚の宰領ですが、柄袋をした脇差を差している。
広重画 東海道53次之内 戸塚・元町別道
馬から飛び降りる旅人は、腰に脇差を差している。