狂歌入東海道 藤川


                 

  狂歌入東海道、藤川の絵は行書版の石薬師の絵に似ている。
どちらも夕暮れの中を雪に降られ、やっと宿場の入り口にやってきたところだ。
馬子に引かれた馬に乗った定飛脚の宰領は完全に雪に覆われている。蓑や蓆を羽織った馬子は素足のようだ。さぞかし雪が冷たいだろうに。
周囲の大木には雪が積もっており、雪の付いていない樹皮の色が印象的だ。
周囲はひっそりとしており、寒い雪の降る季節を皆じっと耐えているかのようだ。